Columnコラム
アートをとおしてあかちゃんとおとなの新しい関わり方を発見する「なはーとベイビーシアタープロジェクト」、2024年度に続いて2期目がスタートしました。
7月〜9月は「おでかけ編」として、那覇市内の子育て支援センターなどでワークショップを開催しています。
今回は、2025年8月23日(土)に開催したおでかけワークショップ②「みんなのかたち」の様子をお届けします。
実施日:2025年8月23日(土)
時間:①9:40~10:20/0~1才 ねんね~はいはい期
②11:00~11:40/1~2才 よちよち~てくてく期
定員:各回5組
会場:子育て支援センターはっぴぃ(久場川みらいこども園 2階)
アーティスト:平良 亜弥さん、津波 博美さん
ワークショップ概要
会場は、那覇市首里久場川町にある久場川みらいこども園 2階の「子育て支援センターはっぴぃ」。1回目、2回目それぞれ5組、あわせて10組の親子に参加いただきました。アーティストは平良 亜弥さん、津波 博美さん、サポートアーティストの山内 盛彰さんも加わり賑やかに開催されました。
1回目の開催に集まってくれたのは、0〜1才のねんね・はいはい期のあかちゃんたち。
3ヶ月のちいさなあかちゃんが3名いて、マットの上にころころと並ぶかわいらしい姿に、会場内がほんわかとした空気で包まれました。
簡単な自己紹介のあと、アーティストたちから配られたのは、みどりやピンクなどカラフルなメッシュの布で包まれた巾着のようなかたちの素材。
動かしてみると、中からはコロコロ、カシャカシャと心地よい音がします。
巾着をしばっていた布ひもをほどいていくと、中からこれまたカラフルなメッシュの布や軍手、たまご型のマラカス、おおきな鈴などの素材がワッと飛び出しました。
あそびかたに決まりはありません。
メッシュの布を上からふわりとかぶせてみたり、たまご型のマラカスを耳元でやさしく振ってみたり。
この子はどんな遊びが好きなのかな?と探るように、保護者たちがさまざまな動きや音でアプローチする様子が見られました。
おすわりが上手なあかちゃんは、急に現れた色とりどりの世界に最初はびっくりしつつも、気になるものを指さしたり、保護者から渡された素材をふしぎそうに見つめたり。
保護者と一緒に大きなメッシュの布をかぶり、いないいないばぁ!をしてあそぶ姿も見られました。
布ひもをぐるぐる丸めてボールに。
ひもの先に鈴を結びつけて楽器に。
メッシュの布をぐるぐる巻きつけてドレスに。
さまざまな素材を組み合わせ、あそびのアイデアが次々に広がっていきます。
場所見知りで保護者から離れなかったあかちゃんも、アーティストが軍手に入れたたまご型マラカスをポコポコと取り出して見せると、おそるおそる手をのばしてさわろうとする様子が見られました。
おしまいの時間が近づいてきた頃に登場したのは、メッシュの布を結んで作った大きな幕のようなもの。マットの真ん中に集まってもらった参加者をスタッフが囲み、ふわりと布をかぶせます。
「わぁ〜!」
ねんねのあかちゃんの目に映っていた景色をみんなで体験します。
視界いっぱいに広がる鮮やかな色彩、布が上下するたびにふわりと感じるやさしい風。
普段の生活ではなかなか味わえないふしぎな感覚に、みんなに笑顔がひろがりました。
続く2回目に集まってくれたのは、1〜2才のよちよち・てくてく期のあかちゃんたち。
はじめての場所ですこし緊張した様子のあかちゃんも、カラフルな素材が登場すると、ひもを引っ張ってみたり振ってみたりとすぐに興味津々であそびはじめました。
アーティストが軍手とメッシュの布を組み合わせてお人形をつくってみせると、どうやって遊んだらいいんだろう?と少しとまどっていた保護者たちも、自由な発想でこどもと一緒にあそびはじめます。
コロコロ、カシャカシャ。あかちゃんたちの笑い声や、おとなたちが話しかける声とともに、楽しげな音がひびきます。
アーティストや保護者との「ちょうだい、どうぞ」のやりとりでは、指さしや表情でほしい色を伝えたり、お部屋中をまわって鈴だけを両手いっぱいに集めたりと、目の前にあるものだけではなく、まわりをしっかり見て自分の「すきなもの」をみつけていたのが印象的でした。
2回目のおしまいには、布ひもを長くつなげた大きな輪っかが登場。
それをおとなたちが持ち、あかちゃんのまわりをぐるぐる回りはじめます。
「いったい、なにをしているの?」とばかりに、いぶかしげにおとなたちを見つめるあかちゃんの表情に、おとなたちから思わず笑いがおこります。
「おとなたちが、なんか変な動きを楽しんでいる姿を見てもらえてよかった」と、アーティストの亜弥さん。
たくさんの色や音、おとなたちに囲まれて、いつもとは違ったあそびの時間となりました。
今回も、1回目・2回目ともに、あっという間の40分間。
参加した方からは「おとなが遊んでいるようすを一生懸命、目で追っていたのが印象的でした」「家ではなかなか見ないような反応が見られてよかったです」という声が聞かれ、日常からすこし離れて親子であそびに集中する、いい時間を過ごせた様子でした。
撮影・執筆:安田 麻衣子
最終更新日:2025.09.19