なはーとベイビーシアタープロジェクトレポート おでかけアートワークショップ③「いろんな紙であそぼう」

  1. なはーとベイビーシアタープロジェクトレポート おでかけアートワークショップ③「いろんな紙であそぼう」

Columnコラム

アートをとおしてあかちゃんとおとなの新しい関わり方を発見する「なはーとベイビーシアタープロジェクト」。7月〜9月は「おでかけ編」として、那覇市内の子育て支援センターなどでワークショップを開催しています。

今回は、2025年9月19日(金)に開催したおでかけワークショップ③「いろんな紙であそぼう」の様子をお届けします。
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実施日:2025年9月19日(金)
時間:①9:40~10:20/0~1才 ねんね~はいはい期
   ②11:00~11:40/1~2才 よちよち~てくてく期
定員:各回7組
会場:子育て支援センターうえばるーむ(宇栄原みらいこども園 2階)
アーティスト:平岡 昌也さん
ワークショップ概要
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あそびを通して、自分がすきなものを見つけてほしい

会場は、那覇市宇栄原にある宇栄原みらいこども園 2階の「子育て支援センターうえばるーむ」。1回目、2回目それぞれ7組、合わせて14組の親子に参加いただきました。
アーティストは沖縄市でこども美術教室などを主宰されている画家の平岡 昌也さんです。

1回目の開催に集まってくれたのは、0〜1才のねんね・はいはい期のあかちゃんたち。
みんなの輪の中心には、やさしい色のやわらかい紙や新聞紙、マスキングテープが置かれています。

はじめに、昌也さんが今日のワークショップに込めた想いをお話してくれました。

「こういうのは心地いい、こういうのは嫌だ。好きも嫌いもなんでもいいので、こどもたちにたくさんなにかを感じてもらいたいです。
ちゃんと自分が好きなものを感じる時間をもつことで心の嗅覚が育まれて、これからおとなになっていく過程で、夢や大切なものが見つけられるんじゃないかなと思います」

お話のあいだにも、すでにあかちゃんたちは目の前に置かれた紙に興味津々。ちいさな手をうんと伸ばし、くしゃくしゃとにぎって感触をたしかめていました。


薄い紙をふわりとかぶったり、新聞紙をびりびりと破いたり。
アーティストや保護者たちが紙をどうやって使っているか、あかちゃんたちはじっと観察します。

細く裂いた紙を束ね、マスキングテープで端をくるりとまとめて房飾りに。
三色の紙を編みこんで、三つ編みやねじり鉢巻きに。

びりびり、がさがさ。
あっという間に部屋中が色とりどりの紙で埋め尽くされました。
あちこちでカラフルな紙ふぶきが舞い、あかちゃんと保護者はそれぞれお気に入りのあそびに没頭していきます。

泣いたり、眠ったり。それぞれの個性がかがやいて


時折、泣き声も聞こえてきます。
この子はなにが好きかな?と、おとなたちが紙を使ってさまざまなアプローチをしていくなかで、ちょっぴり不安になってしまったり、興奮しすぎて疲れてしまったり。
泣き方や表情、手足の動きで「いやだな」「だっこしてほしい」としっかり気持ちを伝えているようでした。

ふわふわの紙のおふとんに包まれて、にこにこご機嫌だったあかちゃんは、いつの間にかそのまま夢の世界へ。きもちよさそうな寝顔に、見ているまわりのおとなたちも幸せな気持ちになりました。

五感を研ぎ澄ますアートなひととき

続いて2回目に集まってくれたのは、1〜2才のよちよち・てくてく期のあかちゃんたち。
何度かワークショップに参加してくれている親子もいて、あそびかたがとっても上手です。

ちいさな指先で器用に紙をつまみ、おとながやっているのを真似してやぶいたり、手の中でくしゃっとまるめてみたり。1回目の開催で使った紙も加わって、お部屋の中はさらににぎやかになりました。

マスキングテープで壁に貼った紙かざりを引っ張ってはずし、「はずしちゃうの〜?」と困った顔をするおとなたちの反応をみて、いたずらっぽい笑顔をみせるあかちゃんも。


1回目でおとなたちがあかちゃんの顔やうでにぺたぺたと貼ってあそんでいたマスキングテープは、2回目ではあかちゃんたちが自分でお部屋の壁や保護者に貼ったりはがしたりして楽しむ姿が見られました。
ぺたぺたくっつくテープは自分ではなく、壁や他の人に貼ってあそびたいんだなということに気付かされます。

時間の経過とともにおとなたちのクリエイティブ性もどんどん発揮され、紙で大きなアーチを作ったり、あかちゃんの髪かざりをつくったり、丸めて大きなキャンディを作ったりとさまざまなオブジェが登場しました。

色とりどりの紙にうもれて大興奮のあかちゃんもいれば、「はやくかたづけないと!」と言わんばかりに自分のまわりにある紙を一生懸命押しのけているあかちゃんもいて、個々の性格やこだわりが垣間見えるシーンもありました。

今回も、1回目・2回目ともに、あっという間の40分間。

参加した方からは
「これだけ紙がいっぱいあるのにマスキングテープばかりに夢中になっていて、そっちが好きなんだ!と意外なわが子の好みを知ることができました」
「もともと紙であそぶのは好きでしたが、こんなにたくさんの量であそべる機会はなかなかないのでよかったです」
といった感想が聞かれ、さまざまな発見のある時間となりました。

撮影・執筆:安田 麻衣子
 

最終更新日:2025.10.01

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