公演・展示情報

  1. 戦後80年特別企画 戦後沖縄80年展「心象~交わりと連なり」

戦後80年特別企画 戦後沖縄80年展「心象~交わりと連なり」

戦後80年特別企画 戦後沖縄80年展「心象~交わりと連なり」
なはーとでは戦後80年という節目の年にあたり、沖縄で創作活動を続ける5人の作家の作品を展示し、戦後沖縄について、個人のまなざしをとおして考える展覧会を開催します。 
本展の出品作家は、自身の自画像を主題に絵画作品を発表し続ける中島イソ子(1940~)、染織の世界に魅了され作家として独自の世界を見出した真喜志民子(1941~)、戦後、沖縄の社会状況へ視線を向けつつも、沖縄の焼物と出会い、土と共に生きる陶芸家の松島朝義(1947~)の他、1960年代後半から1972年の復帰前に生まれた、彫刻家の儀保克幸(1967~)や映像作家の大山健治(1971~)です。
儀保や大山は1945年から1960年代の激動の時代を知らず育った世代の作家であり、親世代である松島、中島、真喜志から次世代の2人の作家へバトンを繋ぐイメージを持って、戦後沖縄を考える空間を創出します。
沖縄の作家たちの様々な創作活動の軌跡や作品を通して、戦後の沖縄を多角的な視点で捉えるとともに、個々人が繋ぐ記憶の継承について考えるきっかけとなれば幸いです。


【出品作家プロフィール】

中島イソ子
1940年、沖縄県名護市生まれ。1962年、武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)を卒業。山原の自然の風景や身近な人物を描いていたが、以後、日記のように沖縄への自身の思いを投影した自画像がテーマとなる。主な展覧会に、「中島イソ子展―なぜ自画像かー」(前島アートセンター、2001年)、「Art is My life−沖縄の女性アーティスト」(沖縄県立博物館・美術館、2012年)、「琉球の横顔 描かれた『私』からの出発」(沖縄県立博物館・美術館、2021-22年)、「沖縄を見つめた表現者たち展」(佐喜眞美術館、2024年)がある。戦後沖縄の女流画家としての黎明期を築き、沖縄の美術界への貢献は多大である。現在、沖展会員。
公共コレクション:沖縄県立博物館・美術館、那覇市、佐喜眞美術館、沖縄タイムス社
 
真喜志民子
1941年、沖縄県那覇市生まれ。1963年、女子美術大学短期大学造形美術科を卒業。首里織や紅型を学び、以後、生活に息づくように自身の染織の世界を追求し、墨染織を展開する。1986年から96年に渡り沖縄にて「ファブリケーション・布との対話」を企画出品。1996年より、札幌、松本、金沢、東京、名古屋、京都、倉敷、鹿児島等、全国のギャラリーにて個展を多数こなす。2010 年にはその集大成として、岐阜現代美術館で大規模な個展「真喜志民子 墨・染・織」を開催。夫である画家の真喜志勉とは、2001年「真喜志勉・民子 耳順展」を皮切りに、2014年まで6回2人展を開く。沖縄での初個展は2021年、那覇のギャラリーRENEMIAにて。今後も多数の展示予定がある。
 
松島朝義
1947年、八重山生まれ、那覇育ち。大学卒業後に喜名焼の椀と出会い、以後、師や産地といった背景を持たず独学で「琉球南蛮」という独自の世界を切り拓く。1978年に首里で登窯を築き、1982年以降は移転した恩納村の穴窯で焼成を続ける。1976年の初個展以後、数多くの個展を開催。公募展では、1981 年「沖縄現代陶芸展」(琉球新報社主催)で受賞の後に審査員を勤め、1997 年「ビエンナーレ焼締陶公募展」(岡山県主催)奨励賞、2000 年「西日本陶芸美術展」(西日本新聞社主催)大賞受賞、2003年「長三賞陶芸展」(常滑市主催)で奨励賞受賞。同年、沖縄県で陶芸部門初となる日本工芸会正会員に選出。「琉球王国文化遺産集積・再興事業」(沖縄県、2015−21年)に関わり、模造復元事業にも携わる
 
儀保克幸
1967年、大阪府生まれ。1990年、東京造形大学美術II類(彫刻)卒業。以後、木彫での人物表現に目覚め、近年は活動拠点を沖縄に移し、制作を続ける。主な展覧会に、『海の名前の少年』(清州アートスタジオ、2015年)、「第3回クロスカレント・テキサツ展」 (ウイチタフォールズ 美術館、2016 年)、「邂逅の海」(沖縄県立博物館・美術館、2017年)、「沖縄アジア国際平和芸術祭2020」(沖縄2020年)、「はじまりの森 クサティムイ~おいでおいで、がじゅまるのもり~」(那覇文化芸術劇場なはーと、2022 年)、「復帰後ー私たちの日常展」(佐喜眞美術館、2022年)、「『〇でも × でもないもの!』~『ART と私』正解のない『教育普及』展~」(沖縄県立博物館・美術館、2024 年 )など。2023 - 2025 年、首里城正殿彫刻物復元事業に参加し、現在、沖縄県立芸術大学非常勤講師。
 
大山健治
1971年、沖縄県那覇市生まれ。1997年、東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻修士課程修了。大学時代からインスタレーションに興味を持ち始め、次第に映像を取り入れたインスタレーション作品を展開。主な展覧会は、「OKINAWA ART in NewYork 展」(日本クラブ/ニューヨーク、2012年)「SHASHIN: PHOTOGRAPHY FROM JAPAN」(New York Public Library /New York、2015年)、「さどの島銀河芸術祭 2018」(新潟、2018年)、「REFLECTIONS 時代を見る眼」特別展示(沖縄県立博物館・美術館、2022年)、令和5年度 第2期常設展「オマージュ・琉球漆器」(浦添市美術館、2023年)、「Film of Light 光の膜 OYAMA Kenji Exhibition」(浦添市美術館、2024年)。現在、沖縄国際大学准教授。

※配布チラシの休館日情報に誤りがありました。正しくは12月1日・15日となります。

このページについてのお問い合わせ

那覇文化芸術劇場なはーと ℡098-861-7810